交走式では日本最長２７７５ｍの山越え川越えロープウェイ

四国八十八ヶ所霊場第21番札所、太龍寺へ一直線。標高600mの山頂近くにあり、大師堂の配置が高野山の奥の院と同じ「拝殿・奥殿式」となっているため、古くから「西の高野」とも呼ばれています。
また西暦793年、19歳の弘法大師空海が舎心ヶ嶽の岩山で100日間にわたる虚空蔵求聞持法という記憶力を増進させ判断力を身につける難行を修めた聖地であり、このことは弘法大師が24歳の時に著した「三教指帰」に「阿国太龍嶽にのぼりよじ、土州室戸岬に勤念す。谷響きを惜しまず明星来影す。」とあり、太龍寺と室戸岬は青年期の大師の思想形成に重要な役割を果たした修行地であったことがうかがえます。

その登り口のひとつである太龍寺ロープウェイは、全長2,775m、最大高低差508mを約10分で結び「交走式」では日本最長を誇ります。（交走式とはロープが循環せず往復するつるべ式のロープウェイをいう）
その眺望は大スケールで、1号支柱までは「鷲敷ライン」と呼ばれる曲がりくねった那賀川が広がります。1号支柱を越えると剣山山系を、2号支柱を越えると淡路島・紀伊水道と三景観変わるその景色はまさに壮大です。