電車や直通バスなどが通り、大阪市内から車で約1時間とアクセスしやすい有馬温泉は、愛媛県の道後温泉や和歌山県の白浜温泉と並び、日本三古泉に数えられる名湯のひとつ。金泉と銀泉からなる温泉は、古くから人びとの心と身体を癒し、なかでも太閤秀吉がこよなく愛したことで知られています。時代を超えて愛され続ける歴史ある温泉がお部屋で独占できる、そんな宿で悠久の歴史に思いを馳せてみませんか?
世界的にも珍しい温泉で心身をリフレッシュ!
「日本書紀」に記され、日本最古の温泉ともいわれる有馬温泉は、単純性温泉、二酸化炭素泉、炭酸水素塩泉、塩化物泉、硫酸塩泉、含鉄泉、放射能泉の7つの成分が含まれている、世界的にも珍しい温泉です。泉質が異なる金泉と銀泉が湧き、金泉は神経痛や関節痛、冷え性、切り傷などに効果があり、銀泉は高血圧や食欲増進などに効果があるとされています。そんな金泉と銀泉が心ゆくまで満喫できるお宿が「中の坊 瑞苑」。チェックインが13時、チェックアウトが翌12時と最大23時間滞在でき、金泉がある「瑞泉」と「爽泉」の二つの大浴場に加え、プライベート感覚で入浴できる銀泉の無料貸切露天風呂があるなど、待ち受けるのは温泉三昧のひと時。緑豊かな庭園を望む露天風呂がある「瑞泉」、ミストサウナも備える開放風呂がある「爽泉」は、夜と朝で男女入れ替えを行うので、滞在中に両方の大浴場を堪能してみてください。
露天風呂付きの部屋など客室は多彩
さらに「中の坊 瑞苑」では、金泉と銀泉の露天風呂に加えシャワーブースを備えた金泉・銀泉の露天付き貴賓室「和光」、有馬川のせせらぎと丹波山地を一望でき銀泉露天風呂を新設した銀泉露天付き貴賓室「瑞雲」など、部屋に露天風呂がある客室を6タイプ10部屋用意。和の趣を残しつつ、ツインベットを配した和モダンな客室、日本情緒を感じながらくつろげるお一人さま用の数寄屋造りの和室など、さまざまな客室があり、用途に合わせて選択することができます。
上品な空間が広がる館内で優雅なひと時を
エントランスには、臨済宗の僧侶であり京都妙心寺派の管長を務めた山田無文による書が飾られ、落ち着いた大人の雰囲気が漂う館内。その上品な佇まいもあって、1982年以降、耐震補修工事で休業した2017年を除き、毎年将棋の棋戦のひとつ、王位戦の舞台として利用されています。また、ロビーから望む日本庭園も美しく、その両方をいいとこ取りできる場所が、宿泊者専用のラウンジ「里楽」。日本庭園を眺めながら、落ち着いた雰囲気の中でモーニングコーヒーやアフタヌーンティーを嗜めむ、そんな上質な時間に身を委ねてみるのもおすすめです。
兵庫の山海の恵みを凝縮した会席料理を堪能
南は淡路島、北は丹波と食の宝庫にぐるりと囲まれた有馬だけって、料理のクオリティもピカイチ。「中の坊 瑞苑」では、部屋や個室ダイニングでいただく3種の会席をはじめ、鉄板焼きカウンターがあるシェフズルームや和食レストランなど、それぞれで違った趣の料理が楽しめます。シェフズルームでは、明石鯛や地蛸など旬の魚介の造りや、焼き穴子、大しじみ、海老、地場野菜を使用した椀物、黒毛和牛ヘレ肉のステーキを味わえる鉄板会席(食材は季節により変動あり)などが提供され、目の前で調理するシェフの手さばきは見応え十分です。
食べ歩きやおみやげを探しに町を散策しよう
旅館の周辺をぶらりと散策するのも有馬温泉の醍醐味。近くにはメインストリートのひとつ・湯本坂があり、新旧の名店が立ち並んでいます。地ビール、地サイダーを提供するお店や有馬の名物グルメとなったコロッケ専門店は、風呂上がりの散策のお供にぴったり。おみやげに山椒や炭酸せんべいを購入し、一汗かけば旅館に戻って大浴場へ。旅館内のカフェ「猪名野茶房」で、日本茶鑑定士最高位が厳選した日本茶と、素材にこだわって作られた甘味でひと息つくのもいいでしょう。温泉、空間、料理など、どれをとってもハイグレードな体験を味わえる有馬温泉は訪れるものの心と身体を満たしてくれるでしょう。