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21世紀を共に歩む佛像彫刻
京都御所 蛤(はまぐり)御門(ごもん)西方徒歩2分(京都市上京区下長者町通室町西入ル西鷹司町16)に位置する、松本明慶佛像彫刻美術館は平成17(2005)年に開館。2021年文化庁が京都に本格移転を果たすと文化庁に最も近い美術館となる。当美術館は鎌倉時代優れた佛像彫刻を残した慶派、その流れを汲む平成の大佛師 松本明慶の作品約180体を展示。昭和20年京都市に出生した明慶は、4歳年下の弟の死を契機に17歳より佛彫の道を歩み始めた。心ある方々に育まれ、56年を経た現在も京都市西京区の大原野佛所 松本明慶工房を拠点に約40名の弟子を育成しつつ造佛活動に力を尽くす。佛師は宗教家でも芸術家でもなく、信仰をそなえた職人として世に活かされることを天命と精進を重ねる。美術館1階には大原野佛所において産声を上げ、北海道から沖縄まで日本各地に納佛された歴代19体の大佛(木像では世界最大級18.5mの大辯財天を筆頭に36歳より今日に至るまでの作品)の写真を展示し、各々の大佛が任地の風土に根づき人々に頼りとされているその姿を紹介。美術館2階には掌に納まる精緻を極めた端正な小佛、木質の味わいを活かした表情豊かな一木づくりの御仏、荘厳華麗な截金彩色を施した品格宿る御仏、大佛造佛時の要となった雛型等を展示。多様な姿の作品は鑑賞者を深く魅了する。また平成29年秋に完成した、2階最奥の新展示室(約200平方メートル)は、壮大な憩いの空間となり来館者を迎える。佛教伝来以来培われた高度な伝統技術を礎とし、なお究極の手仕事の技を磨き、研究鍛錬を積む作品群は圧巻であり、生身の佛師の鼓動や熱き志をも伝える。日本固有の豊かな木の文化を土壌に、一刀一刀謹刻され誕生した御仏の姿は、生命の尊厳・傷みと血の通った慈しみへの共感を、切々と発信する。21世紀激動時代、国境も民族も宗教も超越し、平和を願うすべての人々へと発信する。
2階最奥の新展示室
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