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京都・東山、三条通沿いに佇む茶懐石の老舗名店。初代、辻󠄀留次郎氏が茶道裏千家十三世家元から茶懐石を学び、明治35年(1902)に出張料理専門店のスタイルを確立させた。以来、裏千家の茶事で茶懐石を勤める名店となり、創業から120年の歴史を重ねている。出張料理専門ゆえ、店に客席はない。あるのは、隅々まで手入れが行き届いた厨房のみだ。そんな店を取り仕切るのは、料理長の平晴彦さん。二代目である辻󠄀嘉一氏を師として研鑽を重ね、料理人として半世紀以上の経験を積んだ今なお道を究め続ける、茶懐石の名人である。
「旬の素材を目利きし、その持ち味を最大限に生かして、召し上がる方を思いやって料理することが茶懐石の技と心です」とは、平さんの談。料理を目の前にすると、箸を付けずともその真意が伝わってくる。そして、ひと口、もうひと口と食べ進めば、滋味深き素材の味わいに感銘し、食べることの幸せを感じるのだ。そんな辻󠄀留の茶懐石は、裏千家の茶事に招かれた客人でなくとも、出張料理や取り寄せなどで味わうことができる。手軽な松花堂弁当から本格的なコース仕立ての茶懐石まで、献立は多彩。シーンや予算に合わせて相談し、名店の技と心を感じながら口福に浸ってみてほしい。
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