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伝統と革新が交差する:日本の技と産業の進化をたどる旅

伝統と革新が交差する:日本の技と産業の進化をたどる旅

最終更新

日本の産業は、人々の生活や文化に深く影響を受けながら時代の変遷に合わせて発展を遂げて来ました。今や日本だけでなく世界をも支えるまでに発展した日本の産業技術を楽しみながら学びませんか?
このコースでは、伝統技術と最先端技術がいかに融合し、どのように人々の日常生活を彩ってきたのか、そして、世界の技術にどのような刺激を与えてきたのかを学ぶことができます。
精緻な職人技から先進的な妙技に至るまで、各企業の努力によって育まれてきた産業技術に触れることはとても貴重な経験となるでしょう。

大阪企業家ミュージアム(大阪府大阪市)

大阪は歴史に名を連ねる多くの企業家や商人たちが生まれてきた場所でもあります。大阪企業家ミュージアムでは、大阪を代表する企業を創設した数々の人物について紹介しています。明治時代以降、日本の近代化を推進し、第二次世界大戦後の復興を支え、技術革新により現代の生活をより豊かにしてきた偉大な人物たちの軌跡をたどることができる施設です。

偉人たちの写真や伝記を通じて、彼らがどのような偉業を成し遂げてきたのかを学びます。アサヒビール、グリコ、阪急、阪神、ミズノ、南海電鉄、日清食品、野村証券、大林組、パナソニック、三洋電機、シャープ、サントリーなど、日本を代表する企業の創業者や中興の祖たちが、大阪や関西を拠点にどのように事業を発展させ、世界的な企業へと成長させたのかを知るのは非常に興味深いことでした。

展示は明治時代(1868年~1912年頃)、戦前~戦時中(1912年~1945年頃)、戦後(1945年~)という3つの時代に分けて紹介されています。また、大阪で開催された1970年の日本万国博覧会や1990年の国際花と緑の博覧会を含む、世界博覧会の歴史も紹介しており、2025年に大阪で開催される「大阪・関西万博(EXPO 2025)」への期待も感じられます(万博に関する特別展示は3月25日まで)。英語字幕や英語の音声ガイド、映像などが用意されており、国外からのゲストでも十分に楽しめる施設です。

アサヒグループ大山崎山荘美術館(京都府乙訓郡大山崎町)

京都府大山崎町の美しい山々に囲まれた場所にあるアサヒグループ大山崎山荘美術館は、芸術、歴史、そして建築の美が見事に掛け合わされた隠れ家的美術館です。大正から昭和初期にかけて建設され、現在はヨーロッパと日本の絵画、陶芸、工芸品、彫刻などの素晴らしいコレクションが展示されています。

この美術館は、実業家の加賀正太郎(1888-1954)が別荘としてこの地に設計したことが始まりです。加賀は関西地方の実業家で、ニッカウヰスキーの創業にも参画しました。加賀は後に自らのニッカウヰスキーの株式をアサヒビールの初代社長である山本爲三郎(1893-1966)に譲渡しています。加賀とその妻が亡くなった後、この別荘は荒廃し、1989年には解体の危機に直面しました。しかし、地域住民や京都府、アサヒビールからの支援により、別荘は保存・修復され、1996年に美術館として開館しました。

美術館の本館は、ヨーロッパの建築に色濃く影響を受けたクラシックな洋風建築が特徴で、見事な細工が施された松材で造られた暖炉、筍の美しい装飾、ヨーロッパから直輸入されたステンドグラス、チューダー・ゴシック様式を取り入れた景観が美しいテラスなど、細部にまでこだわった建築が見どころです。涼しげな睡蓮池や日本庭園が広がり、春には桜、秋には鮮やかな紅葉といった季節ごとに異なる景観も楽しめます。

特に注目すべきは、日本の著名な建築家である安藤忠雄(1941-)によって設計し増築された新棟で、南側に位置する地中館、別名「地中の宝石箱」として知られています。ここでは印象派の巨匠クロード・モネ《睡蓮》連作が展示されており、アートと建築の調和が感じられます。

シマノ自転車博物館(大阪府堺市)

大阪の堺市にあるシマノ自転車博物館は、自転車の歴史や文化、技術といった自転車にまつわる知識を学べる施設です。名称からはシマノブランドに焦点を当てているように思われがちですが、ブランドに限らず自転車の過去・現在・未来について紐解きながら、自転車産業の歴史と発展について展示しています。自転車が好きな方だけでなく、自転車の歴史や技術、サステナビリティ、スポーツに興味のある方にもおすすめの施設です。

自転車の実物や情報パネル、ライブラリーや映像等を通して、自転車の進化の軌跡や社会における役割、持続可能な未来実現に向けた可能性について学ぶことができます。

「自転車のはじまりとこれから」という映像では、自転車の誕生から最先端のデザインに至るまで自転車の発展について学べるだけでなく、博物館が位置する大阪・堺が自転車の発展にどのような影響を与えたのかといった地域とのつながりについても知ることができます。

さらに、配達、通勤、レース用など、様々な目的のために作られた自転車が並び、ニーズに応じてどのように進化してきたのかを見て学ぶことができます。

特筆すべきは博物館のスタッフの自転車に対する情熱と専門知識でしょう。英語が話せるガイドが、展示品や自転車の文化と歴史について詳しく解説してくれるため、理解を深めることができます。

シマノブランドに偏ることなく、自転車そのものに焦点を当てているため、実に学びのある魅力的な体験ができます。シマノ自転車博物館は、自転車の魅力を存分に感じさせてくれる場所であり、近くを訪れたらぜひ足を運びたいスポットです。

アサヒビールミュージアム(大阪府吹田市)

「天下の台所」とも称される大阪は、豊かな食文化と共にビール消費量が日本の中でもトップクラスだと言われています。アサヒビールミュージアムは、1987年に世界初の辛口ビールとして登場したアサヒスーパードライを製造しています。

ここでは工場見学ツアーが実施されており、90分のツアーの中で3D技術を駆使した映像体験とビール工場の生産ラインをガイド付きで見学することができます。ビールの充填、缶詰、梱包などの自動化された高度な製造過程を窓越しで間近に見ることができるのが魅力です。

ツアーの締めくくりには、素敵なカフェスペースで20分間ビールの試飲が楽しめます。できたてのビールを2杯まで楽しむことができるほか、ノンアルコールやソフトドリンクも用意されています。オリジナル「泡アート」をデザインしたスーパードライを楽しめるなど、魅力満点のツアーです。

ツアーは主に日本語で行われますが、英語のオーディオガイドのアプリも紹介しており、国内外のすべての年齢層のゲストが楽しめる施設です。

神戸ビーフ館(兵庫県神戸市)

神戸ビーフの高級感と卓越した品質は世界中で知られており、日本を代表する美食のひとつとして高く評価されています。神戸ビーフの美味しさに込められた歴史と技術を学ぶには、新神戸駅直結の総合商業施設、コトノハコ神戸にある「神戸ビーフ館」をぜひ訪れてみましょう。神戸ビーフの世界について楽しみながら学べるスポットです。

神戸ビーフ館は、牛肉の素晴らしさを伝え、神戸ビーフの素となる「但馬牛」の伝統を守るために設立されました。黒毛和種に代表される和牛は、豊かな霜降りと風味が特徴で世界中で高く評価されていますが、その中でも特に兵庫県産の但馬牛は、その純血が維持されています。兵庫県のみで一貫生産された但馬牛のうち、品質などの厳格な基準を満たした特別な牛肉が神戸ビーフとしての称号を得られるのです。

館内では但馬牛の歴史や独自の改良方法、神戸ビーフが世界的な名声を得るまでに守られてきた厳格な基準など様々な展示が見られます。特に、壁に映し出される迫力ある映像では、牛の飼育から肉の格付け、そして神戸ビーフが持つ文化的な意義に至るまでを視覚的に分かりやすく伝え、訪れる人々を魅了します。

さらに館内のレストランでは熟練のシェフによって絶妙な焼き加減で調理された神戸ビーフを味わうことができます。赤身やロースを部位別に食べ比べることもでき、目の前の鉄板で焼かれた絶品ステーキを通じて神戸ビーフの卓越した品質を実感できることでしょう。

竹中大工道具館(兵庫県神戸市)

新神戸駅から歩いてすぐのところにある竹中大工道具館は、日本の木造建築の世界を知るにはピッタリの場所です。館内では、日本の木造建築の歴史を知ることが出来ると同時に、日本で唯一の大工道具の専門博物館として、数々の大工道具を鑑賞することができます。

日本の木造建築の技術やものづくりの心について後世に伝えるために建てられたこの施設では、大工道具や実物大の大型模型が展示され、伝えられてきた技術や歴史的背景について体系的に学べます。さらに顕微鏡を使って砥石の質感を観察したり、高度な技法について学ぶ動画を鑑賞したり、木組みのサンプルを使って組み立てる体験ができたりと、体験型の展示も充実しています。

鉋(かんな)という道具を使ってできた荒削りの状態と仕上げ削りが済んだ状態の木材を比較する展示では、伝統的な木工技術における熟練の技を実感できます。木肌や木材の削り屑に触れることで、道具の違いや使いこなす職人の技を肌で感じることができるのです。

館内では日本のみならず中国やヨーロッパで使用されている道具についても展示しており、各国の道具がデザインや機能性にどう影響を与えているかを学ぶことができます。

ガイドを希望する方は、無料の英語オーディオガイドが利用できます。木工経験者や木工デザインが好きな方はもちろん、木工に興味がなくとも、誰でも楽しみながら日本建築や木工技術、職人技など幅広い分野を学べる施設です。

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