オンリーワンの「SAKE」を感じる旅~山田錦発祥地の三木(兵庫)から淡路島を通って鳴門(徳島)へ

オンリーワンの「SAKE」を感じる旅~山田錦発祥地の三木(兵庫)から淡路島を通って鳴門(徳島)へ

2023年03月07日

The KANSAI Guide

首都圏に次ぐ人口を誇る関西エリア。そのなかでも京都市・大阪市・神戸市は世界的にも有名な観光地ですが、その周辺にも知る人ぞ知る魅力的なエリアが多数あります。極上の日本酒から壮大なオーシャンビュー、珠玉のグルメまで、関西周辺のあまり知られていない魅力的なスポットを探訪します。

酒米の米どころ、兵庫県三木市

まずは日本酒を探求するため兵庫県三木市を訪ねました。日本酒は日本各地で造られていますが、最高級の吟醸を醸造する酒米「山田錦」は兵庫県三木市が発祥地です。

酒造りの研究者たちが交配により誕生させた山田錦は、大粒で心白(米の中心の白濁している部分)の発現がよく、タンパク質含有量が少ないことが特徴です。精米時に砕けにくい大粒の山田錦は、フルーティーかつ複雑な風味があり、全国の酒造家に好まれています。

この特別な品種を学ぶべく、三木市にある「山田錦の館」を訪れました。ここでは、採れたての地元農産物の直売、特産物の販売などが行われているほか、酒米ミュージアムをはじめ日本酒が試飲できる場所 、地元食材を使ったレストランなどがあります。館内には山田錦の歴史や特性、酒造りに関する解説パネルが設置されており、山田錦について学べます。

また、この施設では山田錦を原料とする全国の日本酒を販売しています。100円、200円、300円と、銘柄により価格が異なる試飲では飲み比べも楽しめます。山田錦を使ったパンや地元の野菜を使ったお漬物がとても美味しかったので、沢山買って帰りました。

日本酒のヴィンテージ、古酒を訪ねて

山田錦について学んだ後は、明治22年(1889)創業で、兵庫県の景観形成重要建造物等に指定されている酒蔵「稲見酒造」へ向かいました。こちらの酒蔵は、有馬温泉と城下町の姫路をつなぐ江戸時代の主要街道「湯の山街道~ひめじ道」沿いに位置しています。

「稲見酒造」の入口に掲げられた杉玉をくぐり中へ入ると、並べられた日本酒のひとつに「葵鶴 大吟古酒」のラベルが見えましたが、それは、「インターナショナル・ワイン・チャレンジ SAKE部門」の銅メダルを受賞した日本酒とのことです。

ワインとは異なり、ほとんどの日本酒は、生産後、早めに飲むことが奨励されていますが、「葵鶴 大吟古酒」は、「古酒」として日本酒を熟成させています。

葵鶴 大吟古酒は、琥珀色へと変化するまで16年熟成させた日本酒で、まろやかな味わいがワインに似ており、ドライフルーツやパルメザンチーズとよく合います。

絶景が楽しめるホテル

次の目的地は壮大なオーシャンビューが臨める徳島鳴門市のリゾートホテル「ホテルリッジ」です。

大きな吊り橋を二つ越える淡路島経由のルートで本州から車で約1時間の徳島県鳴門市は、都市の雑踏とは別世界です。

その鳴門市の山間にある「ホテルリッジ」は10室全て の客室がスイートのブティックホテルで、全ての客室が瀬戸内海に面した稜線に配置され、客室からは絶景を堪能でき、まるで自然の中に滞在しているかのような静寂を味わえます。

高級感のある客室は、モダンな和風と洋風の2タイプがあり、内風呂に床暖房や埋め込み型の浴槽を備えるなどゲストが快適に過ごせるように工夫が散りばめられています。また、「大谷焼」の浴槽や、「阿波藍」のテキスタイル、「大歩危」地区の緑茶など、徳島県の名産品を取り入れた心遣いも魅力です。

敷地内にある「カリフォルニアテーブル」は芸術的な創作フレンチのコース料理を、壮大なオーシャンビューと共に味わえるレストランで、宿泊客以外でも利用できるので、日帰りランチを楽しむのもおすすめです。また、暖かい時期には屋外のテラス席でも食事ができます。

また、名前に由来するカリフォルニアに提携ワイナリーがあり、カリフォルニア州を中心に栽培されているブドウ品種のジンファンデルとシャルドネを使った多様なヴィンテージワインを揃えています。料理とのペアリングやおすすめワインを熟知したソムリエがいるので、ワインと料理を存分に楽しむことができます。

そのほか、ホテルリッジのオプションとして、瀬戸内海の絶景を楽しむ周遊クルーズや、今後可能となる予定のヘリコプターでのホッピング観光などもあり、次回の訪問時にぜひ体験したいと思います。

「万代中央ふ頭」で楽しむ水辺の食事

鳴門市から車で約20分の徳島市街には、かつて水辺の倉庫街だった万代中央ふ頭があり、近年、大改装が進み、スタイリッシュでモダンなカフェや店舗が多数できています。

そのうちのひとつ、カフェ「ノースショア徳島店」は、倉庫だった建物をリノベーションした素敵なレストランです。

一面に張られた巨大なガラスパネルから自然光があふれ、観葉植物があちらこちらに配された店内は、その名のとおり、ハワイのノースショアを連想させます。メニューには、フルーツが添えられたふわふわのパンケーキや、ライスにハンバーグと目玉焼きをトッピングしたロコモコなど、ハワイアンスイーツやフードが並びます。

ノースショア徳島店のすぐ近くには、最新テクノロジーを活用したアートで有名な「チームラボ」の作品と高級日本料理を一体化させた、日本料理店「百年海」があります。店内の、内装がひとつ の巨大なデジタルアートになっており、海の音と共に波のうねりを表現したアニメーションが壁一面に映し出される没入型のインスタレーションです。

店内を進み、ひと続きの長円形のカウンターに座ると、中央のライブキッチンが目に入ります。パリで修業を積んだ有川海渡シェフが銅鍋で鳴門金時や地元シイタケなど徳島産食材を使った天ぷらを揚げ、揚げたてを提供してくれます。

ここで紹介したスポットは、まだまだ一部です。大都市を離れて、その地域ならではの美味しい料理や絶景を探しに行ってはいかがでしょうか。

関連記事

最終更新 :
  • HOME
TOP