京都と大津を繋ぐ希望の水路 琵琶湖疏水~舟に乗り、歩いて触れる明治のひととき~
2022年02月01日
平安京の誕生以来,約千年間にわたり日本の都として栄えた京都は,明治2年の事実上の東京遷都により,人口が減少し,産業も衰退していった。この危機に対して復興策として計画されたのが,琵琶湖疏水(びわこそすい)である。
琵琶湖から京都に水を引くという一大プロジェクトは,日本最初の事業用水力発電や路面電車の開業のほか,舟運,防火,庭園への活用など,経済や産業,文化を大きく発展させることとなった。また,外国人技師に設計監督を委ねていた時代,すべてを日本人の手で行った我が国最初の大土木工事でもあった。
そして,時が過ぎた平成30年,一度は途絶えた舟運が,観光船「びわ湖疏水船」として,67年ぶりに復活し,現在,多くの方の好評を得ている。京都に「命の水」を運び続ける琵琶湖疏水。明治期の壮大な志は,時を超え,今に脈々と息づいている。
京都府(京都市)滋賀県(大津市)
主な構成文化財
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