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日本有数の観光地・京都。定番の絶景スポットや文化体験はもちろん、茶摘み体験や作陶体験、古民家宿泊など、一味違った大人の楽しみ方で憧れの地を巡りませんか。人気の京都市はもちろん、北は京丹後市まで、京都全域の魅力をまるごとお伝えします。京都市しか訪れたことのない人も、まだまだ新しい発見があるかも。自分へのご褒美ひとり旅や大人のデート、大切な人との素敵な思い出づくりに。幅広いシーンで利用したい、京都府各所のおすすめスポットを厳選しました。
若狭富士の名で知られる青葉山の中腹にある「松尾寺(まつのおでら)」。毎年「卯月八日」(現在は5月8日)に奉納される、釈迦の生誕を祝う儀式「仏舞(ほとけまい)」が有名で、国重要無形民俗文化財に指定されています。「仏舞」は、釈迦如来、大日如来、阿弥陀如来の三尊、各2体を表わす6人の舞手が、篳篥(ひちりき)や龍笛(りゅうてき)など雅楽器の演奏にのせて舞うもの。大陸より伝えられ、今はなき嘗ての宮廷舞楽の一演目が垣間見られるとも言われる伝統芸能で、江戸時代初期には、既に松尾寺に伝承されていたことが跡付けられています。独特のリズムでたおやかに舞う姿は見る人を惹きつけ、一瞬も目が離せないような不思議な魅力にあふれています。年に一度、ここでしか出合えない貴重な伝統芸能を見に、京都へ足を伸ばしてみては。
海に浮かぶように「舟屋」が立ち並ぶ伊根町の舟屋群。重要伝統的建造物群保存地区として国内外に知られ、毎年30万人近い観光客が訪れます。舟屋とは、船を風雨や虫から守るために建てられた施設のこと。昔は漁で木造船を使用していたため、1階に船を収納し、2階は網の干し場や漁具置き場として使われていました。伊根町では、そんな舟屋の暮らしを身近に感じられる体験ツアーを各種用意。人気のツアー「舟屋ガイドとめぐる、まるごと伊根体験」では、魚のあらを餌に漁をする“もんどり”仕掛けの見学が見所。海底に続くロープを引き上げれば大きなかごが現れ、中で魚がピチピチ跳ねている、臨場感たっぷりのもんどり漁を間近で見られます。このほか、舟屋周辺を散策したり、1754年創業の老舗酒造に立ち寄ったり、伊根町をまるごと満喫できるようなツアーになっています。
「丹後ちりめん」で有名な、日本最大のシルク織物産地・京都丹後。同地に根ざす「KUSKA(クスカ)」は、糸づくりから染め・手織りまで、職人の手仕事にこだわったモノづくりを行う工房です。その魅力は、伝統・ファッション・芸術の3つを融合させたトレンドに左右されない“作品”の数々。ネクタイやストールを主として、伝統工芸である丹後ちりめんを彷彿させる、素材を生かしたものがそろいます。ショップに併設されている工房では、職人の手織りの様子を無料で見学することが可能。その日本ならではの職人技を一目見ようと、海外の人も多く訪れるんだとか。また、実際に手織り体験(有料)もできるので、旅の記念に自分で織った布を持ち帰ってみては。
※2022年3月現在、体験のみ休止中
京都府のほぼ中央に位置する南丹市美山町。北側の集落にある、39棟ものかやぶきの民家が軒を連ねる「かやぶきの里」には、日本のふるさとを思わせるノスタルジックな光景が広がっています。春は桜、夏は新緑、秋は紅葉、冬は雪景色と、四季折々の自然美に染まり、1993年には日本の原風景を色濃く残す集落として、国の「重要伝統的建造物群保存地区」に選定されました。集落内では「美山民俗資料館」では、かやぶき民家の中を見学でき、「ちいさな藍美術館」では世界中から収集した珍しい藍染コレクションが展示されるなど、景色以外の楽しみ方も満載。より深く、古き良き日本の暮らしを体感したい人は民宿に泊まるのもおすすめです。都会の喧騒に疲れたときは、美山の昔懐かしい街並みを散策して、心を休めませんか。
創業120余年の歴史を誇る窯元「昭楽窯(しょうらくがま)」。茶の湯を大成した千利休が、その美意識の最高峰を茶碗という形で表したとされる「楽焼(らくやき)」専門の窯元です。楽焼の特徴として挙げられるのが、轆轤(ろくろ)を一切使わず、手捏(てづく)ねで成形を行うこと。全てを人の手で担うからこそできるわずかな歪みが作品に個性を生みます。昭楽窯では、この手捏ね製法で抹茶用の黒楽茶碗を作る体験プランを用意。体験の合間には、抹茶と和菓子をいただきながら、茶室での作法や茶碗の歴史について学ぶことができます。出来上がった茶碗は国内外へ発送も可能。約半日かけて行う作陶体験を通して、楽焼の魅力にどっぷり浸かってみては。
京都に来たら、日本映画の体験型テーマパークへ遊びにいきませんか?「東映太秦(うずまさ)映画村」には、映画「るろうに剣心」などが撮影された壮大な江戸時代のオープンセットがあり、忍者や侍たちが毎日ショーを繰り広げています。実際に忍者に変身したり、忍術を学んだり、体験型のプランも充実。目玉アトラクション「立体迷路 忍者の砦」にもぜひチャレンジを。3階建ての迷路に忍術の罠が張り巡らされていて、大人も夢中になって楽しめます。体を思い切り動かした後は、パーク内に点在しているカフェやレストランで腹ごしらえ。1日を通して、映画の世界観や江戸時代の暮らしに触れることができます。このほか、数々の人気ゲームやアニメーションとコラボレーションしたイベントも開催しているので、訪れる前に開催情報をチェックしてみて。
宇治茶の産地として約800年の歴史を有する和束(わづか)町。ぐるりと山々に囲われ、谷間の中心部に穏やな川が流れる茶畑郷には、どこか懐かしい風景が広がっています。お茶の生産・販売を手掛ける「京都おぶぶ茶苑」では、日本茶の奥深い魅力を知ってもらおうと、年間を通して茶畑ツアーを実施。茶畑や製茶工場の見学、日本茶テイスティングやお茶の淹れ方講座など、盛りだくさんな内容を用意しています。春、夏、秋限定の茶摘み体験も人気。手摘みした茶葉の手もみ製茶を体験できます。数量限定で茶娘コスチュームの貸し出しも。茶畑をバックにキュートな茶娘に扮した1枚を撮れば、いい思い出になりそうですね。
世界最古の長編物語『源氏物語』。その最後の十帖の主な舞台となった宇治に、物語の世界観を再現した博物館があります。館内には、光源氏の邸宅・六条院の復元模型や実物大の牛車の復元展示、4,500冊以上もの蔵書をとりそろえ、源氏ファンにはたまらない空間が広がっています。「宇治十帖」をテーマにしたオリジナル映画やアニメも上映していて、『源氏物語』を楽しみながら学ぶことができるのも魅力。一部展示は多言語対応のタブレット音声ガイドによる解説もあるので、海外の人もご安心を(※2022年3月現在、サービス休止中)。千年もの時を超えて、愛され続ける『源氏物語』。あまり物語を知らない人も、一度訪れたらその華やかな世界観に引き込まれること間違いなしです。
日本三禅宗の一つ・黄檗宗(おうばくしゅう)大本山の寺院「萬福寺(まんぷくじ)」。1661年に中国僧「隠元隆琦(いんげんりゅうき)禅師」によって開創されました。中国明朝様式を取り入れた建造物は、宇治の山に宿る仏様を投影しているかのように威厳を放ちます。特に、法堂前に見られる「卍(まんじ)崩し」と呼ばれるデザインや、龍の腹をイメージしたアーチ型で蛇腹の「黄檗天井」など、日本の寺院では珍しい建築手法が見所。一部展示には英語の音声ガイドがついているので、海外の人も気軽に「萬福寺」の歴史に触れられます。予約制でいただける中国発祥の精進料理「普茶(ふちゃ)料理」のおもてなしにも注目を。1日2組限定の御膳『あおい』(1人8,888円)は、僧侶による境内ツアーも含んだ充実のメニュー。厳かな雰囲気に魅せられ、季節や文化を感じる料理で癒やされる、心休まるひとときを過ごして。
京都府亀岡市の中心部から7kmほど離れた静かな山あいにある「湯の花温泉」。はるか昔の戦国時代、武将たちが刀傷を癒したとの伝説を残す温泉郷です。泉質は神経痛・筋肉痛・疲労回復等に効果が期待できる天然ラジウム泉。さらさらとした湯ざわりで、体の芯からほぐれていくような極上の湯が客人をもてなします。日帰りで利用できる温泉はもちろん、料理自慢の旅館が多く立ち並び、春は山菜、夏は鮎、秋は松茸、冬は地酒とぼたん鍋など、四季折々の自然の恵みを楽しめるのも魅力。澄んだ空気、山里の情緒あふれる景色、極上の湯、旬のグルメが五感を潤す、癒しの京都旅へ出かけませんか。
後ヶ浜海岸のシンボル「立岩(たていわ)」。1,500万年前に地下から噴出したマグマが冷え固まってできた岩床は、長い歴史の中で雨風にさらされ、波に打たれるなど、自然によって生み出された荒々しい岩肌が特徴的です。高さは約20mもあり、遠目からも異様な存在感を放っています。「立岩」はその昔、聖徳太子の弟の麿子親王が退治した3匹の鬼の内、1匹をこの岩に封じ込めたとの言い伝えが。今でも、冬や天気の荒れた日は鬼の泣き声が聞こえてくると言われています。強く荘厳な面持ちでそそり立つ「立岩」は、海をバックに少し遠目で見るのがおすすめ。日本海の濃いブルーと相まって美しいコントラストを醸し出します。ぜひ、日本海に浮かぶ「立岩」をバックに記念撮影をしてみて。
明智光秀が1579年に建てた「福知山城」。北近畿で唯一天守閣がある城で、京都府内においては天守閣に登れる城はここだけとされています。城の最上部・天守閣の4階からは、遠くに山並みを見渡しつつ福知山の市街を見下ろすことができます。加えて見どころポイントは、城の基礎となる石垣。五輪塔や墓石、石臼などの石造物が使われていて、一部は400年以上の歳月を耐え抜き、築城されたときのまま残っています。見る角度や場所によってまったく異なる表情をみせるのも魅力の一つ。城の周りを1周して、いろんな角度から眺めてみて。季節によっても印象ががらりと変わり、特に冬の雪化粧をした「福知山城」の美しさは息をのむほど。ぜひその美しさを目に収めて。
日本三景の一つで、京都府の北部に位置する「天橋立(あまのはしだて)」。全長3.6㎞の砂州に約6,700本もの松が茂っている珍しい地形で、その形が天に架かる橋のように見えることから、その名が付いたそう。松並木の散策やサイクリング、乗船、海水浴、温泉など、楽しみ方が満載。特に、天橋立近くにある4つの展望台から見下ろすのがおすすめ。中でも、「天橋立ビューランド」と「傘松公園」の展望台で、足と足の間に顔を出し、逆さになって日本海や市街を眺める“股のぞき”での眺望は、天橋立が空に昇っていく龍のように見えます。海に浮かぶように存在する「天橋立」と、それを取り囲む山々と町並みが魅せる絶景を目に焼き付けて。
京都府京丹後市網野町網野にある「網野神社」。本殿のほか、8棟の建造物が国の登録有形文化財に登録されている格式高い神社です。中でも、かつての本殿であった境内社の「蠶織神社(こおりじんじゃ)」が有名。日本遺産「300年を紡ぐ絹が織り成す丹後ちりめん回廊」の構成文化財となっていて、養蚕(ようさん)の神様や丹後ちりめんを祭る神聖な空間で、約300年にわたる織物の歴史と文化を体感できます。網野神社は、浦島伝説のモデルとなった「水江浦嶋子神(みずのえのうらしまこのかみ)」のほか、3柱の神様が鎮座する由緒ある神社で、特に“とこわか(※いつまでも若々しくいること)”のご利益があるそう。そのほか、丹後ちりめんの反物から作ったお守り袋に入れたおみくじも名物の1つ。旅の思い出としてもよさそうですね。
日本の食文化に深く根付く“味噌汁”。日本の郷土料理といっても過言ではありません。この味噌汁に欠かせない“味噌”を作るユニークなワークショップを、京丹後市にあるワークショップスペース「tabel table (タベルテーブル)」で体験できます。約4時間ほどあるプログラムの内容は、実際に味噌を作るだけでなく、味噌や醤油など、さまざまな麹食品の食べ比べも。味噌づくりの後は、地元の食材を使ったヘルシーなランチを頂き、さらに日本の食文化の理解を深めます。味噌づくり体験は11~3月の4ヵ月間のみ開催。麹の世界をもっと知りたいという人のために、味噌醸造所を見学するオプションもスタンバイ。五感で日本の伝統的な食文化を学んで。
4棟のかやぶき古民家からなる「美山FUTON&Breakfast(みやまエフアンドビー)」。日本古来の懐かしい古民家を丸ごと1棟貸し切って、贅沢な里山暮らしを体験できます。カウンターバー付きの和モダン調の古民家や広い芝生付き古民家など、趣異なる4棟の中でもイチオシは、国の登録有形文化財に指定されるかやぶき古民家。家の中には大きな囲炉裏があり、大勢で鍋や炭火料理を囲んで味わうのも良いですね。かやぶき屋根の内側が見れる屋根裏部屋も必見!ゆったりとしたソファーでのんびり過ごすも良し、用意されているオーディオシステムで音楽鑑賞も良し。過ごす時間すべてが非日常的で思い出になる宿です。夫婦やカップルはもちろん、グループ旅行や親子3世代の旅行など、大人数でも楽しめます。
京都府八幡市にある、2万2000㎡の広大な敷地に広がる日本庭園「松花堂(しょうかどう)庭園」。国の名勝にも指定されており、水琴窟(すいきんくつ)のある手水や石畳など露地庭を巡り歩きながら趣のある風景を存分に体感することができます。庭園には梅、桜、青もみじ、竹林、紅葉など、四季折々の花や木々はもちろん、錦鯉が泳ぐ池や立派な石灯篭(とうろう)など、日本独自の侘び寂びの心を感じさせるオブジェの数々が。また、例年3~5月、10~11月の日曜日には、日曜茶席を開催。初心者でも気軽に京のお茶文化を楽しむことができます。茶室から臨む色とりどりの景色が、お茶の時間をよりいっそう優雅に演出してくれるはずです。
日本屈指のカニの漁場・間人(たいざ)。地元で長く親しまれるうまし宿「とト屋」では、11月6日解禁後~12月の水揚げ時期限定で、「間人カニ」のセコガニを使った漁師のまかないめし風の「セコガニ丼」作りを体験できます。具材となるメスのセコガニは小ぶりですが、ミソの濃厚な味わいと、ぷちぷちとした食感が自慢。琴引浜(ことびきはま)の塩を使って茹でたセコガニと、京丹後の水菜のトッピングを大胆に盛り付けて完成です。宝石のようにキラキラ輝く卵が、ほどよい甘みのあるカニ身や濃厚な内子・外子と渾然一体となって口の中でハーモニーを醸し出します。普段味わうことのできない、漁場ならではの新鮮な旬の幸を心行くまで堪能して。
学問の神様・菅原道真公を祀る「長岡天満宮」。花の名所としても知られ、境内のあらゆる場所に季節の花が植わっています。特にキリシマツツジが有名。樹齢170年のツツジは、4月中旬~下旬にかけて満開を迎えます。参道をツツジが深紅に覆う様は華やかで圧巻。朱塗りの社殿とも見事に調和しています。境内の東にある八条ヶ池東堤の遊歩道をアーチ状に覆う桜も見応え抜群。池に映る桜が幻想的な風情を演出し、思わずその美しさにみとれてしまいそう。このほか、梅やアジサイ、蓮、アヤメ・カキツバタ、紅葉など、四季折々の散策をのんびりと楽しむことができます。あでやかに咲き誇る花を愛で、春夏秋冬、四季の移ろいを感じて。