城下町全体が雛人形の博物館に。奈良県高取町の「町家の雛めぐり」

城下町全体が雛人形の博物館に。奈良県高取町の「町家の雛めぐり」

2020年12月01日

奈良といえば鹿や大仏様などの仏像や古寺を思い浮かべませんか? でも、それだけじゃないんです。奈良市から電車でたった1時間、中世~近世に高取城の城下町として栄えた高取町は、古い日本の町並みが残っている隠れた名所。その美しい町並みにプラスして、雛人形まで堪能できる、3月の「町家の雛めぐり」という可愛いイベントを案内します。

一般のお宅の「雛人形」を見て歩ける「町家の雛めぐり」

壺阪山駅から歩くとすぐに細い石畳の道に出ます。ここから約1㎞の道沿いと周辺一帯が「町家の雛めぐり」の会場です。風情ある古民家が立ち並び、例年3月になると、その中の約90軒が自宅の玄関や縁側、店舗では店先で、自慢の雛人形を披露するのです。手作りのもの、アンティークのもの、有名な職人による美術品レベルのものなど、いずれも個性的で、どれもかわいい! 時には初対面の観光客でも家に招き入れられ、間近でじっくりと拝見できることも。シャイな日本でこんなサプライズに出会えるのはこの期間だけ。思わず写真に収めたくなる風景と可愛い雛のコラボレーションで、日本の世界観にどっぷり浸れます。

そもそも雛人形、雛祭りとは

8~11世紀頃の人形遊びから始まったもので、女の子が生まれると贈られる男女の対の人形が雛人形、それを毎年3月3日に飾ってお祝いするのが雛祭りです。天皇皇后の結婚式がモチーフで、一般的には7段の専用飾り棚を設け、最上段に主役の雛人形(天皇皇后)を、下の段には女官や臣下、楽団を配します。調度品も凝っていて、まるでドールハウスを見るような楽しさ! 侍や芸者の次は、雛人形がお土産の主流になるかも。

「町家の雛めぐり」のメイン会場「雛の里親館」では

町並みを散策しながら町の雛人形を堪能したら、ぜひ行ってほしいのが「雛の里親館」。17段の巨大飾り棚に約500体の雛人形がずらりと並べられるのです。まさに華やかの一言!他にも紐で吊るす「吊るし雛」などいろんな雛人形が展示されています。公開は例年3月1日~31日。

約4km山を登った壷阪寺でも珍しい雛人形の展示が

壷阪寺では雛人形で「曼荼羅(仏教の教えを図解にした絵)」を表現した展示が見られます。お堂の中には千手観音像を中心に2000体超の雛人形がびっしりと並べられ、中に入ると雛人形に囲まれた形に。こんなに多くの人形に見つめられるなんて、誰も初めてのはず。お寺の荘厳な雰囲気も相まって神秘的な体験をしているよう。一つずつ人形を見ていると、懐かしの「ウォーリーを探せ」の世界に迷い込んだような楽しさも! 公開は例年3月〓~〓日。
壷阪寺は703年創建の歴史あるお寺です。桜もとてもきれいで、3月は「町家の雛めぐり」、4月上旬~中旬は桜を見に、ぜひどっちも行ってみて。

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