夜空に輝く大迫力の松明! 1270 年続く「修二会(お松明/お水取り)」
2020年12月01日
大仏様で有名な奈良の東大寺には、752年からずっと1270年も続いている行事(法要・祭)があります。毎年3月1日から3月14日にかけて行われる「修二会(お松明/お水取り)」です。戦時下でも嵐でも途切れさせていないというから驚きです!
「修二会」は仏様に懴悔し五穀豊穣を祈る、いろんなお寺で行われる行事の一つ。東大寺では選び抜かれた「練行衆」と呼ばれる11人のお坊さんが2月20日から準備を始め、3月1日~14日の2週間、東大寺の二月堂で祈りを捧げるそうです。毎夜、二月堂に練行衆が入られる時、大迫力の松明が見られることから、関西中から参拝者が集まってくるのです。
※感染症対策などの影響で、見学箇所が大きく制限されることがあります。事前に東大寺WEBサイトなどで確認してください。
一大事!木造のお堂に火が!? 火の粉が舞い、参拝者は大喜び
3月1日~14日の毎夜7時(12日は7時30分、14日は6時30分)、二月堂の舞台下には参拝者がぎっしり。お堂の灯りが落とされて真っ暗闇になると、巨大な松明の灯りに照らされて練行衆が祈りを捧げるためにお堂に入っていきます。練行衆を見送った後この松明が回廊からせり出したかと思うと……いきなり高速回転! ぐるぐるぐるぐる火の粉をまき散らしながら舞台を歩き始めた!! 舞台下にいると、松明の燃える匂いやパチパチと爆ぜる音が迫りくるよう。火の粉を浴びると無病息災のご利益があるらしく、火の粉が降ると他の参拝者も大喜び! 湧き上がるような熱気に、我を忘るほど大興奮。10本の松明が順番に回廊を渡りきるまで約30分、日本の伝統や文化をダイレクトに感じ、心が揺さぶられるエキサイティングな時間です。ちなみに、3月12日はいつもより大きい松明11本(1本多い!)が登場し、14日には10本の松明が同時に並び回転しいつも以上の迫力になるそうです。
「修二会」はこの松明が印象的なので「お松明」や、特別な井戸から観音様へお供えするお香水を汲み上げる儀式も行う事から「お水取り」とも呼ばれて親しまれています。
修二会の後は「飛鳥鍋」で温まろう
「お松明」が終われば、ちょうどディナーの時間です。日本の3月はまだまだ寒く体が冷え切っています。そんな時には奈良の郷土料理「飛鳥鍋」(要予約)を食べにはり新(https://harishin.com/)へ。スープに牛乳を加えた鍋料理で、中国(唐)から奈良に来た僧が寒さをしのぐため、ヤギの乳を入れて食べたことが由来だそう。唐の時代は618年~907年なので、ちょうど修二会が始まった頃に伝わった料理と言えます。
広くて、人が多くて、混雑するので、見学はガイドと一緒がベスト
この「修二会」はファイヤーダンスのような見世物でもイベントでもありません。1270年続くことの意味や儀式の内容を知っていれば、感動はもっと大きいものとなります。ぜひ奈良県主催の「修二会セミナー」に参加し、ガイドツアーに参加してみてください。毎年非常に混み合い、ベストポジションも判断つかないし、予約席などもありません。ガイド無しでは「修二会」を十分に楽しめないのが実際のところです。今回、大きな火の粉を浴びたので個人的にはハッピーですが、ダウンコートに小さな穴が開きました。。。「コートを裏返すといいよ」みたいな知識も、ガイドは教えてくれるかもしれません。