「お抹茶を立てる」とは?侘び寂び精神の神髄「茶道」の基本から体験する方法まで
2021年01月22日
茶道は500年以上もの歴史を持つ、日本の伝統文化を代表するものです。「侘(わ)び・寂(さ)び」と呼ばれる心を体現した喫茶を中心としたもてなしを通じ、その深い精神性を感じてみてはいかがでしょうか?
茶道とは?
茶道とは、湯を沸かして茶を点て、それをふるまうという行為を様式化し、文化にまで高めた日本の伝統的な芸道です。茶道では、簡素な趣や年月を経た落ち着いた風情、寂しさを美しいと感じる心の動きを「侘び・寂び」と表現し、その精神性を大切にします。簡素な茶室で、茶碗に入れた粉末状の抹茶に湯を加え、竹の道具でかき混ぜる。この一連の行為を「お茶を点てる」と言います。お茶を点て、それをふるまうという行為を中心に、そのための作法やもてなし、器具や部屋の飾りつけまで、お茶を点てて提供することにまつわるすべての事を芸術として捉え、総合的な美を演出し、そこから高い精神性を学ぶのが、文化としての茶道です。
茶道の歴史
茶道の起源は、1200年以上も前にまでさかのぼります。その歴史の中で、500年ほど前に貿易都市である堺(現在の大阪府堺市)の商人であった千利休により、侘び・寂びの心を根本とした「侘び茶」という様式が完成され、これが現在の茶道の原点となっています。
茶道の作法
茶道の作法は、お茶の点て方はもとより、歩き方や座り方、道具の取り扱い方、料理の提供の仕方、さらには茶室や庭の設計の仕方にまで及びます。このため、その全てを学ぶには、とても長い年月が必要です。とはいえ体験であれば、あまり身構える必要はありません。まずは茶碗などの道具を傷つけないよう、時計や指輪などのアクセサリーは外してください。裸足で茶室に入るのはマナー違反なので、清潔な靴下を用意しておくとよいでしょう。お茶を飲むために茶碗を持つ際には、必ず両手で持ってくださいね。それ以外は心静かに、案内をしてくれる人などの指示に従えば大丈夫です。
関西で茶道体験ができるスポット
それでは、旅行者でも気軽に茶道の心に触れられる、おすすめスポットをご紹介しましょう!
1.茶室 双樹庵(「好古園」内)(兵庫)
世界遺産にもなっている姫路城に隣接する、美しい日本庭園が好古園。園内にある茶室「双樹庵」では、誰でも気軽に本格的な抹茶を味わうことができます。四季折々の美景を見せる庭園と、まろやかな抹茶の味を楽しんでください。
【施設名】 茶室 双樹庵(「好古園」内)
【開館時間】 10:00 am~4:00 pm(受付は3:40 pmまで)
【休館日】 12月21日~1月5日
【価格】 500円(抹茶と生菓子)
【URL】
公式ホームページ
関西観光本部ホームページ
【住所】 兵庫県姫路市本町68
【Google Map URL】 GoogleMap
2.茶道体験 - Nara 奈良県猿沢イン日本文化体験(奈良)
猿沢イン-Nara Visitor Center & Innは、宿泊施設であるかたわら、旅行客向けに日本の文化体験を提供している施設です。毎週水曜日には茶道体験が行われ、奈良の特産品である茶筅(抹茶を立てるときに使う道具)を使いながら茶道の基本的作法を学ぶことができます。
伝統的な茶室で日本文化を肌で感じてみてくださいね。
【施設名】 奈良県外国人観光客交流館(奈良県猿沢イン)
【開館時間】 茶道体験は水曜日のみ
1)3:00 pm~3:45 pm
2)4:15 pm~5:00 pm
【価格】 2,000円(6歳以下の子どもは無料)
【URL】
公式ホームページ
関西観光本部ホームページ
【住所】 奈良県奈良市池之町3
【Google Map URL】 GoogleMap
3.宇治市営茶室 対鳳庵(京都)
宇治市営茶室 対鳳庵は、観光名所の平等院鳳凰堂から歩いて約5分ほどの場所にある本格的な茶室。本場の抹茶や煎茶(緑茶の一種。茶葉を煮出して飲むお茶のこと。)を季節のお菓子とともにいただくことができます。予約をすればお点前(茶をたてたり炉や風炉に炭を入れるなどの茶道の作法)の体験が可能!本場の宇治茶をいただきながら、ぜひ日本の詫び寂びを体感してみてください。
【施設名】 宇治市営茶室 対鳳庵
【開館時間】 10:00 am~4:00 pm
【休館日】 開席期間中無休(開席期間:1月10日~12月20日)
【価格】 お点前体験 2,400円
【URL】
宇治市観光協会公式ホームページ(日本語のみ)
関西観光本部ホームページ
【住所】 京都府宇治市宇治塔川2
【Google Map URL】 GoogleMap
茶道は、その行為を通じて心を磨き、美を追求する、人生の修行の道とも言われます。その根幹にある、古くから日本文化に大きな影響を与えてきた「侘び・寂びの心」を、ぜひ身近に感じてみてください!